「もう夫婦としては終わっているのに、子供やお金のことを考えると離婚できない…」そんな風に、同じ家で息を殺すように暮らしていませんか?実は、離婚できずに家庭内別居を選ぶ夫婦は、あなたが思う以上に多いんです。でも、何のルールもないまま同居を続けると、生活費のことで揉めたり、精神的に追い詰められたりすることも。
この記事では、100組以上の夫婦関係の悩みを聞いてきた私が、家庭内別居を少しでも穏やかに乗り切るための「お金と生活のルール作り」について、具体的なコツをお伝えします。読み終わる頃には「これなら、明日から少し楽に過ごせるかも」と思えるはずです。
家庭内別居のルール作りが、なぜこれほど大切なのか

家庭内別居という選択。それは、離婚という大きな決断を前にした、一時的な、しかし非常にデリケートな期間ですよね。
お互いへの感情が冷めきっていたり、あるいは対立していたりする中で、同じ空間を共有するのは想像以上のストレスがかかります。だからこそ、お互いが最低限の平穏を保つために、明確な「ルール」が必要になるんです。
これは、相手のためというより、まず自分自身の心を守るための防衛策だと考えてみてください。
ルールがない状態は、いわば航海図を持たずに嵐の海へ出るようなもの。どこに進むべきかわからず、些細なことでぶつかり合い、消耗してしまいます。
感情的な対立を避け、物理的な同居生活を乗り切るためにも、冷静なうちにルールを決めておくことが、この困難な時期を乗り越えるための唯一の羅針盤になるのです。
家庭内別居で多くの人が感じるストレスとすれ違いの話
家庭内別居で多くの人が口にするのが、「相手の存在そのものがストレス」という言葉です。わかります、その気持ち。
同じ空気を吸うことさえ苦痛に感じること、ありますよね。顔を合わせないように生活時間がずれていき、いつの間にか家庭が安らぎの場ではなく、緊張を強いられる場所になってしまいます。
「おはよう」も「おやすみ」もない。食事は別々。
洗濯物も分ける。まるで他人が同居しているかのような生活は、じわじわと心を蝕んでいきます。
特に、共有スペースであるリビングやキッチンでのすれ違いは、小さな火種が大きな争いに発展しやすいもの。使った食器がそのままになっている、共有の冷蔵庫に私物が溢れている…そんな些細なことが、積もり積もって耐え難いストレスになるんです。
よくあるストレス源
- 生活音へのいらだち
- 共有スペースの使い方
- 金銭感覚の違い
- 子供への接し方
これらのストレスは、明確なルールがないことでさらに悪化します。お互いが「普通はこうだろう」という自分だけの常識で動くため、すれ違いが絶えません。
このすれ違いをなくす第一歩が、お互いの「普通」をすり合わせるルール作りなのです。
ルールがないとどうなる?起こりがちな3つのトラブルについて
もし、何の取り決めもないまま家庭内別居に突入してしまったらどうなるでしょうか。残念ながら、ほとんどの場合、新たな問題が発生し、状況はさらに悪化してしまいます。
ここでは、特に起こりがちな3つのトラブルについて見ていきましょう。
まず避けられないのが「お金のトラブル」です。これまで家計を一つにしていた場合、誰が何を支払うのかが曖昧になりがち。
「俺はローンを払っているんだから、食費くらいお前が出せ」「私は子供のものを全部買っている」といった言い争いが絶えなくなります。次に深刻なのが「子供への悪影響」。
両親の不仲を敏感に感じ取り、子供が精神的に不安定になるケースは少なくありません。そして最後に、「精神的な消耗」が挙げられます。
終わりの見えない緊張状態は、仕事や日常生活にも支障をきたすほど、心をすり減らしていきます。
起こりうるトラブル
- 生活費の押し付け合い
- 子供の情緒不安定
- 心身の健康悪化
これらのトラブルは、どれも深刻なものばかりです。感情的な対立を避け、少しでも平穏な日常を送るためには、事前にルールを設けておくことがいかに大切か、お分かりいただけるかと思います。
これはお互いを縛るためではなく、守るためのものなのです。
離婚準備を円滑に進めるためにもルールは不可欠だった
家庭内別居は、多くの場合、離婚への準備期間でもありますよね。この期間をどう過ごすかが、実際の離婚協議をスムーズに進められるかどうかの鍵を握っていると言っても過言ではありません。
ルールを決めておくことで、まずはお互いが冷静さを保ちやすくなります。日々の小さなことで感情的にぶつかることが減れば、離婚という大きな問題について、事務的に、そして建設的に話し合う余地が生まれます。
例えば、生活費の分担ルールを決めておくことは、離婚時の財産分与や養育費の話し合いの土台にもなります。
また、家庭内別居中の生活態度が、離婚調停や裁判で不利に働く可能性もゼロではありません。例えば、相手に生活費を一切渡さなかったり、子供の世話を放棄したりすると、「悪意の遺棄」とみなされることも。
しっかりとルールを定め、それを遵守しているという事実は、いざという時にあなた自身の立場を守る材料にもなるのです。将来を見据えるからこそ、今のルール作りが大事なんです。
【最重要】家庭内別居の生活費で揉めない5つの分担ルール

家庭内別居で最も揉めやすいのが、やはり「お金」の問題です。今までどんぶり勘定だった部分も、関係性が変わればきっちり分ける必要が出てきます。
感情的なしこりを残さず、公平に分担するためには、いくつかのコツがあります。ここでは、実際に多くの夫婦が取り入れている、生活費で揉めないための5つの分担ルールを見ていきましょう。
これらをベースに、ご自身の家庭の状況に合わせてアレンジしてみてください。
大切なのは、お互いが「不公平だ」と感じない落としどころを見つけること。収入や生活スタイル、子供の有無など、家庭によって状況は様々です。
一方的にルールを押し付けるのではなく、あくまで「話し合い」で決める姿勢を忘れないでくださいね。
コツ1:住居費と光熱費は収入に応じて分担するのが現実的だった
家賃や住宅ローン、そして水道光熱費といった、毎月必ず発生する固定費。これは生活の基盤となる費用なので、最初に明確にしておくべき最優先事項です。
一番揉めにくいのは、お互いの収入に応じた割合で分担する方法です。
例えば、夫の月収が40万円、妻の月収が20万円であれば、収入比は2:1。家賃が15万円なら、夫が10万円、妻が5万円を負担するといった形です。
これにより、収入が少ない側が過度な負担を感じることがなくなり、「払えない」という事態を避けやすくなります。住宅ローンの名義人が夫だからといって全額を夫に押し付けるのではなく、妻も住んでいる以上は応分の負担をする、という考え方が公平感を保つコツです。
固定費分担の考え方
- 収入比で按分する
- 名義人だけで決めない
- ボーナス払いは別途協議
この方法は、どちらか一方が専業主婦(主夫)で収入がない場合でも応用できます。その場合は、収入のある側が全額を負担することになりますが、その事実を双方が確認し、合意しておくことが大切。
「払ってもらって当然」という態度は、新たな火種を生むだけです。
H4:住宅ローンが残っている場合の注意点
持ち家で住宅ローンが残っている場合は、少し話が複雑になります。ローンの名義人が支払いを続けるのが基本ですが、その支払いは「財産形成」の一面も持っています。
そのため、離婚時の財産分与で考慮されるべき点です。家庭内別居中は、ローンの支払いを「家賃相当額」として捉え、非名義人側もその一部を負担するという考え方が一般的です。
例えば、ローン返済額が月12万円でも、周辺の家賃相場が15万円なら、その15万円をベースに収入按分する、といった工夫も有効ですよ。
H4:光熱費の変動にどう対応するか
光熱費は季節によって変動しますよね。夏や冬は高くなりがちです。
毎月きっちり按分するのが面倒な場合は、「光熱費は年間を通して月々〇万円を共同口座に入れる」というように、定額制にするのも一つの手です。あるいは、水道代は妻、電気・ガス代は夫、というように項目ごとに担当を決める方法もあります。
どちらの方法が自分たちの性格や生活スタイルに合っているか、話し合ってみてください。大切なのは、後から「今月は使いすぎだ」と相手を責めない仕組みを作ることです。
コツ2:食費・日用品費は「共同財布」か「完全別会計」か決めること
食費や日用品費は、日々の生活に直結するだけに、曖昧にすると不満が溜まりやすい項目です。ここをどう管理するかは、大きく分けて2つの方法があります。
自分たちの関係性や生活スタイルに合わせて、どちらかを選びましょう。
一つは「共同財布(共通口座)を作る」方法。毎月決まった額(例えば、収入に応じて夫3万円、妻2万円など)を出し合い、その中から食費やトイレットペーパーなどの日用品を購入します。
もう一つは「完全別会計にする」方法。食事は各自で用意し、自分の食べたものや使ったものは自分で買う、というスタイルです。
これは、生活時間が全く違う夫婦や、食事の好みが大きく異なる場合に有効です。どちらの方法にもメリット・デメリットがあるので、よく話し合って決めることが大切です。
会計方法の選択肢
- 共同財布(共通口座)
- 完全別会計
- ハイブリッド型
ハイブリッド型として、子供の食事に関する費用だけは共同財布から出し、大人の分は各自で、という方法もあります。どの方法を選ぶにせよ、「これはどっちのお金で買うんだっけ?」と迷う状況をなくすことが、ストレスを減らす鍵になります。
H4:「共同財布」を選んだ場合の運用ルール
共同財布を作る場合、いくつかルールを決めておくとスムーズです。「何を買っていいか」の範囲を明確にしましょう。
例えば、「食材と日用品はOKだけど、お酒やお菓子など個人の嗜好品は各自のお金で」といった線引きです。また、レシートは必ず保管し、月末にお互いに支出を確認する時間を作ると、透明性が保たれて信頼関係につながります。
最近では、共有できる家計簿アプリなどもあるので、活用してみるのも良いでしょう。手間を惜しまないことが、無用な疑念を防ぎます。
H4:「完全別会計」で気をつけるべきこと
完全別会計は、一見シンプルで揉め事がなさそうですが、注意点もあります。それは、冷蔵庫や収納スペースの縄張り問題です。
自分の食材や日用品を置くスペースを明確に分けておかないと、「私の醤油を勝手に使った」といった新たなトラブルに発展しかねません。冷蔵庫の棚ごとに担当を決めたり、収納ボックスに名前を書いたりするなどの工夫が必要です。
また、調味料など共有した方が効率的なものについては、「共有品リスト」を作り、それだけは共同で購入するなど、柔軟な対応も考えておきましょう。
コツ3:子供にかかる費用は「婚姻費用」として明確にすること
お子さんがいる場合、その生活費や教育費をどうするかは非常に重要な問題です。これは単なる生活費の分担ではなく、「婚姻費用」という法的な考え方に基づいて話し合う必要があります。
婚姻費用とは、夫婦がその資産や収入に応じて、婚姻生活を維持するために必要な費用を分担する義務のことです。これには、子供の生活費、学費、医療費、お小遣いなどが含まれます。
家庭内別居中であっても、夫婦である限りこの義務は続きます。基本的には、収入の多い側が少ない側(主に子供の面倒を見ている側)に対して、相当額を支払う形になります。
金額については、家庭裁判所が公開している「婚姻費用算定表」が参考になります。お互いの年収と子供の年齢・人数を当てはめれば、おおよその目安がわかります。
感情的に「いくら払え」「これしか払えない」と議論するのではなく、こうした客観的な基準をもとに話し合うことが、冷静な合意への近道です。
H4:婚姻費用の内訳を具体的に決めておく
婚姻費用として毎月定額を渡す場合でも、そのお金が何に使われるのか、内訳をある程度共有しておくとトラブルを防げます。例えば、食費、学費、習い事代、衣料費、医療費、お小遣いなど、項目をリストアップし、それぞれにいくらくらいかかるのかを明確にしておくのです。
特に、塾代や進学費用、大きな病気や怪我の治療費など、臨時で高額な出費が予想されるものについては、別途協議することもルールとして決めておくと、いざという時に慌てずに済みます。
H4:学資保険や子供名義の預金はどうするか
これまで夫婦で協力して積み立ててきた学資保険や子供名義の預金についても、家庭内別居を機にルールを決めておきましょう。今後もこれまで通り、どちらかの給料から支払いを続けるのか。
あるいは、支払いをストップするのか。もし続けるのであれば、その掛け金は婚姻費用とは別で考えるのか、それとも含めるのか。
これらの取り決めは、将来の財産分与にも関わってくる部分です。解約すると損をしてしまうケースも多いので、冷静に判断することが求められます。
コツ4:個人の支出(保険・通信費等)は各自で管理を徹底する
家庭内別居は、経済的にも自立に向けた第一歩です。そのため、個人的な支出については、この機会に完全に各自で管理する体制に切り替えることをおすすめします。
具体的には、生命保険料、医療保険料、個人の年金、携帯電話の通信費、趣味や交際費、被服費などです。これまで家計からまとめて支払っていたものも、それぞれの個人口座から引き落とされるように手続きを変更しましょう。
これにより、「相手が何にお金を使っているのか」という疑念や干渉がなくなり、精神的なストレスが大きく軽減されます。お互いを干渉しない領域を明確に作ることが、同居を続ける上でのコツの一つです。
各自で管理すべき支出
- 各種保険料
- スマートフォン料金
- 趣味・交際費
- 被服・美容費
もし、家族カードなどで支払いをまとめている場合は、それぞれが個人名義のクレジットカードを作る必要があります。少し面倒に感じるかもしれませんが、この線引きが、後々の金銭トラブルを防ぐための重要な防波堤になるのです。
コツ5:決めたルールは書面に残し「言った言わない」を防ぐこと
これが一番大事なことかもしれません。どんなに詳細なルールを話し合って決めても、口約束だけでは時間が経つにつれて記憶が曖昧になったり、都合よく解釈されたりするものです。
そうした「言った、言わない」の不毛な争いを避けるために、決めたルールは必ず書面に残しましょう。パソコンで作成してプリントアウトし、お互いが署名・捺印するのが理想的です。
難しければ、手書きのものでも構いません。大切なのは、合意した内容が客観的な形で記録として残っていることです。
この書面は、お互いが冷静さを失った時のための「お守り」のようなもの。何か疑問や対立が生じた時に、「ここにこう書いてあるよね」と立ち返る場所があれば、感情的なぶつかり合いを避けられます。
面倒くさがらずに、必ず作成するようにしてください。もし可能であれば、公正証書にしておくと、法的な拘束力を持つため、より強力なものになります。
お金以外も大切!円満な家庭内別居のための生活ルール

家庭内別居のストレスは、お金の問題だけではありませんよね。むしろ、日々のささいな生活習慣の違いや、お互いのプライバシーへの配慮のなさが、じわじわと精神を削っていくことも多いものです。
お金のルールと同じくらい、あるいはそれ以上に、日常生活における細かなルールを決めておくことが、平穏を保つためには不可欠です。ここでは、家事の分担から子供との関わり方まで、お金以外の生活ルールについて考えていきましょう。
家事の分担|食事の準備や掃除・洗濯はどうするか
これまでどちらか一方が主に担っていた家事も、家庭内別居を機に見直す必要があります。「やってもらって当たり前」という意識は捨て、お互いが独立した個人として、自分のことは自分でするのが基本です。
食事は各自で用意し、自分の使った食器は自分で洗う。洗濯も、洗濯機を回す曜日や時間を決めるか、あるいは完全に別々に行う。
掃除については、リビングや風呂・トイレといった共有スペースの担当を決めるのが現実的です。例えば、「月・水・金は夫、火・木・土は妻が掃除機をかける」「トイレ掃除は夫、お風呂掃除は妻」といったように、具体的で明確なルールにすると守られやすくなります。
家事分担の決め方
- 曜日・時間で分担
- 場所・エリアで分担
- 家事ごとに担当を決める
大切なのは、お互いの負担が偏らないようにすることと、「相手のやり方が気に入らない」と口出ししないことです。たとえ掃除の仕方が雑に感じても、ルール通りに担当してくれたのであれば、それは許容する。
そうした割り切りも、同居を続ける上では必要になってきます。
H4:食事の時間をどうするか
子供がいる場合、食事の時間は悩ましい問題ですよね。子供のために食卓を共にするのか、それとも完全に別々にするのか。
これは、夫婦の関係性や子供の年齢によっても答えが変わってきます。もし、一緒に食事をすることが苦痛で、険悪な雰囲気になるくらいなら、無理に食卓を囲む必要はありません。
例えば、「平日は母親と子供、週末は父親が子供を外食に連れて行く」など、子供が両親と食事をする機会を確保する形でも良いでしょう。子供の前で喧嘩するくらいなら、別々に食べる方がずっと良いのです。
H4:ゴミ出しや名もなき家事の分担
意外と忘れがちなのが、ゴミ出しやトイレットペーパーの補充、電球の交換といった「名もなき家事」です。これも、「気づいた方がやる」という曖昧な状態にしておくと、「いつも私ばかりやっている」という不満につながります。
ゴミ出しは曜日ごとに担当を決める、消耗品のストック管理は妻、交換は夫、といったように、細かく役割分担を決めておくと、無用なストレスを減らすことができます。面倒に思えるかもしれませんが、この細かさが平穏を守るのです。
子供との関わり方|面会や行事参加のルールを決めておく
家庭内別居中、最も心を痛めているのは子供かもしれません。両親の不仲が、子供に与える影響を最小限に抑えることは、親としての最大の責任です。
そのためには、子供との関わり方について、夫婦間でしっかりとルールを共有しておく必要があります。
まず大前提として、「子供の前では相手の悪口を絶対に言わない」こと。これは鉄則です。
子供を自分の味方につけようとしたり、相手への不満を子供にぶつけたりする行為は、子供の心を深く傷つけます。また、面会交流のルールも決めておきましょう。
例えば、「週末のどちらかは父親と子供だけで過ごす時間にする」「学校行事には必ず二人で参加する」など、子供がどちらの親からも愛情を感じられるような配慮が大切です。
子供に関するルール
- 相手の悪口は言わない
- 面会交流のルール
- 学校行事への参加
- 進路相談は二人で
私たちは「夫婦」としては終わっていても、「子供の父母」であることは永遠に続きます。その自覚を持ち、子供の利益を最優先に考えて行動することが、何よりも求められます。
子供に関する重要な決定(進学、習い事など)は、必ず二人で話し合って決めるというルールも忘れないでください。
プライバシーの確保|寝室や共有スペースの利用方法
同じ家に住んでいるとはいえ、もはやパートナーではありません。お互いのプライバシーを尊重することは、精神的な平穏を保つ上で非常に重要です。
まずは、寝室を完全に分けることから始めましょう。
そして、「相手の部屋には無断で入らない」というルールを徹底します。これは、たとえ探し物があっても同じです。
相手の郵便物や荷物を勝手に開けるなどもってのほか。相手を独立した一人の人間として尊重する姿勢が求められます。
リビングやキッチンなどの共有スペースの利用時間についても、ある程度ルールを決めておくと、顔を合わせるストレスを減らせます。「夜10時以降のリビングのテレビはイヤホンを使う」「朝の洗面所の利用は7時から7時半まで」など、具体的な取り決めが有効です。
H4:友人を家に呼ぶときのルール
自分の友人を家に呼びたい時、どうすればいいでしょうか。これも事前にルールを決めておくべき点です。
一番良いのは、「異性の友人を家に上げるのはお互いに禁止する」というルール。これは、後々の離婚協議で不貞行為を疑われるリスクを避けるためにも有効です。
同性の友人を呼ぶ場合でも、「必ず事前に相手に伝える」「共有スペースは〇時までしか使わない」といったルールを決めておくと、相手への配慮が示せ、無用なトラブルを防げます。
H4:お風呂やトイレの利用について
お風呂やトイレの利用も、意外とストレスの原因になります。長風呂をする習慣があるなら、時間を区切るルールが必要かもしれません。
また、使用後の清掃(髪の毛を取る、便座を拭くなど)を徹底することも、お互いが気持ちよく生活するためには欠かせません。細かいことですが、こうした日々の小さな積み重ねが、家庭内別居の成否を分けると言っても過言ではないのです。
相手への「思いやり」ではなく、「ルール」として決めてしまう方が、かえって気楽に実行できるものです。
親族や友人との付き合い方|お互いの関係性を尊重する
家庭内別居をしていると、お互いの親族や共通の友人との付き合い方も悩ましい問題になりますよね。冠婚葬祭や季節の行事にどう対応するか、事前に話し合っておく必要があります。
基本的には、「夫婦として出席すべき場」と「個人として出席する場」を切り分けて考えます。例えば、子供の行事や近しい親族の冠婚葬祭には、体裁上、夫婦として参加する。
しかし、それ以外の友人との集まりや、遠い親戚付き合いは、それぞれが個人で対応する、といった形です。また、親族や友人に家庭内の状況をどこまで話すかについても、足並みをそろえておきましょう。
片方がベラベラと不満を話してしまうと、話がこじれる原因になります。「単身赴任中」「仕事が忙しくてすれ違い」など、対外的に使う共通の説明を用意しておくのも一つの手です。
家庭内別居のルール作りで困ったときの対処法
ここまで様々なルール作りについてお話ししてきましたが、現実には、そう簡単にはいかないことも多いですよね。「そもそも相手が話し合いに応じてくれない」「ルールを決めたのに、全く守ってくれない」そんな壁にぶつかってしまうこともあるでしょう。
また、家庭内別居という特殊な状況が、将来の離婚にどう影響するのか不安に感じる方もいるはずです。ここでは、そんな「困ったとき」の具体的な対処法や注意点について見ていきます。
話し合いが進まない・相手がルールを守らない場合
相手が感情的になって話し合いにならなかったり、決めたルールを意図的に破ったりする場合、一人で抱え込んでも状況は好転しません。まずは、冷静になるための冷却期間を置くことも一つの手です。
メールやLINEなど、文章でこちらの考えを伝え、相手に考える時間を与えるのも有効です。
それでも状況が改善しない場合は、第三者の力を借りることを検討しましょう。信頼できる共通の友人や、どちらかの親族に入ってもらうことで、客観的な視点から話し合いが進むことがあります。
ただし、人選は慎重に。どちらか一方の味方をするだけの人では、かえって話がこじれてしまいます。
あくまで中立的な立場で、冷静に話を聞いてくれる人を選ぶことが大切です。それでもダメなら、次のステップとして専門家への相談を考えましょう。
対処法のステップ
- 冷却期間を置く
- 書面で伝える
- 信頼できる第三者を交える
- 専門家に相談する
相手がルールを守らない場合、その違反を記録しておくことも重要です。いつ、どのようなルール違反があったのかを、日記やメモに残しておきましょう。
これは、万が一、調停や裁判に発展した場合に、相手の不誠実さを示す証拠として役立つ可能性があります。
家庭内別居が離婚時に不利にならないための注意点
家庭内別居は、離婚を前提としていることが多いですが、その期間中の行動によっては、いざ離婚協議となった際に不利な状況を招いてしまう可能性があります。そうならないために、いくつか注意すべき点があります。
最も注意すべきは、「有責配偶者」とみなされる行為をしないことです。有責配偶者とは、離婚の原因を作った側のことで、例えば不貞行為(浮気や不倫)や、悪意の遺棄(正当な理由なく生活費を渡さない、家出するなど)がこれにあたります。
家庭内別居中だからといって、他の異性と恋愛関係になるのは絶対に避けるべきです。また、生活費の分担ルールを守らず、相手を経済的に困窮させることも悪意の遺棄と判断されかねません。
決めたルールは誠実に守ることが、自分自身の身を守ることにもつながるのです。
H4:別居期間の証明をどうするか
離婚の際には、別居期間の長さが考慮されることがあります。家庭内別居は、客観的に「別居」と証明するのが難しい面があります。
もし将来、別居期間を証明する必要が出てきた時のために、家庭内別居が始まった時期がわかるものを残しておくと良いでしょう。例えば、ルールを定めた合意書の日付や、寝室を分けたことがわかる写真、友人や親族に「家庭内別居を始めた」と伝えたメールなどが、間接的な証拠になり得ます。
意識して記録を残しておくことをお勧めします。
H4:相手の言動を記録しておくことの重要性
相手からのモラハラやDVがある場合、家庭内別居中もその言動を記録し続けることが非常に重要です。暴言を吐かれた日時や内容を詳細にメモしたり、可能であれば録音したりしておきましょう。
これらの証拠は、離婚時の慰謝料請求や、親権を争う際に、あなたにとって有利な材料となります。辛い作業かもしれませんが、あなたと子供の未来を守るために、冷静に記録を積み重ねていくことが大切です。
身の危険を感じる場合は、すぐに専門機関に相談してください。
どうしても解決しない場合は弁護士など専門家への相談も検討
当事者同士の話し合いでは、どうしても解決の糸口が見えない。そんな時は、法律の専門家である弁護士に相談することも、有力な選択肢の一つです。
弁護士に相談すると聞くと、すぐに裁判になるような大事に感じてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。まずは、現状を整理し、法的な観点からどのような解決策があるのかアドバイスをもらうだけでも、気持ちが楽になったり、進むべき方向が見えたりするものです。
特に、婚姻費用の分担や、将来の財産分与、親権など、法律が絡む問題については、早い段階で専門家の知識を借りる方が、結果的にスムーズに解決できることが多いです。
多くの法律事務所では、初回無料相談などを実施しています。まずはそういった機会を利用して、気軽に話を聞いてもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
一人で悩み続けるよりも、きっと良い解決策が見つかるはずです。家庭内別居はゴールではなく、あくまで通過点。
その先の新しい人生を見据えて、今できる最善の選択をしていきましょう。

コメント